■葛西徹也 強化部長
――新監督の候補者を挙げていく中で最も重要視したポイントは?
誰に声を掛けたかというのはなかなか言えないですが、やはりチームを1つにできるかどうかはすごく重視した。会話とか対話をしながら、お互いに意見があるのは当然な中で、選手が約30人、スタッフが約15人、50人ぐらいのグループでそれぞれが言いたいことを言うだけだと、やはりうまくいかないなというのは感じている。
とは言え、言われたことに「はい、そうですね」という人だけでもいい組織は作れない。そこの意見を言い合いながら、お互いの良いところを吸収して1つのチームを作るというところで、志垣監督は非常に長けていると思っています。そういったところが1番の決め手になったと思います。
■渡部博文 社長
――守備の組織作りという話が出たが、守備的なチームになっていくのか?
今年の失点数を見てもわかるように、やはりいい守備というものがいい攻撃につながるというのは、私自身が本当に実感している部分でもある。いい守備とは何なのかというところをしっかりと落とし込みながら、選手たち自身が生き生きとプレーし、勝ち点を積み上げていけるところに持っていくことが重要だと感じている。
守備的になるわけではなくて、総合的に考えて、攻守においてやはりアグレッシブに行かなければいけないというのは感じています。
――今年のシーズン途中にフアン・エスナイデル監督に指揮を託した際、「選手たちに自分の殻を破ってほしい」という話をしていたが、振り返ってどう感じているか?
エスナイデル監督に関しては、すごく選手を成長させてくれたと思います。特に河野孝汰、梅木翼などはゴールにしっかりとつながった部分もありますし、池上丈二も含めてゴールやアシストという数字で表せるところ、すごく個人という部分を伸ばされた方だなと感じています。
――新監督を選ぶにあたり、葛西部長から「一体感を大事にしたい」という話があったが、裏返せば今季はそこが難しかったのか?
クラブと監督やスタッフ、人との対話というところもすごく重要だなというのはあらためて今年感じましたし、毎週のように試合が来る中で、どういった方向性でいくのかは、やはり監督だけでなくクラブとしても伝えながら、求めながらいかなければというのは感じた。本当にコミュニケーションが重要と感じています。
――中長期的にという話もあったが、トップシックスを目指すというのは来シーズンも変えないのか、それとも中長期的なビジョンを持って志垣監督に長く指揮を執ってもらう方向なのか、今後について聞かせてほしい。
勝ち点は現時点で明言できないところもある。トップシックスというのはJ1を目指す上での過程ですが、目指す勝ち点は今後しっかりと持っていかなければいけないと思います。監督に関しては、数年をかけてでもこのチームを構築していくということに関して、選手育成の部分もすごく重要だと感じているので、いきなり強くなるというよりも、中長期的に強くなっていく、徐々に積み上げて自力をしっかりとつけた上で、J1に行くということが重要だと考えています。
■志垣良 監督
――レノファ山口というクラブにはどんな印象を持っていたか?
ここ10年ですごくチーム力を上げてきたチーム。チーム力はクラブ力だと思うし、クラブ力は組織力であり、そこは人間力だと思います。最終的に組織というのは人間が作っていくもので、そこが1番重要な柱だと思っていますが、そこがしっかりしたクラブなんだろうなと。勢いのあるチームだなという印象は持っています。
――やりたいサッカーの内容について具体的に聞かせてほしい
自分たちからアクションを起こしていく。つまり守備においてもしっかりとボールを奪いに行く。できれば高い位置で。もちろんそれは相手もあることで、相手や時間帯によっては全てを高い位置で行けないかもしれませんが、基本的にはしっかり高い位置でボールを奪いに行く。
攻撃の部分で言うと、やはりボールをしっかりと大事にしたい。ただ、奪うためのゴールは1つしかないので、ポジションではなくて、プログレッションで前に進んでいく。お客さんもやはりゴールを奪いに行く姿勢を見たいと思うので、そこはしっかりと普段の練習の中から落とし込んでいきたい。
その中で、例えばゴールを奪ってリードしている状況では、ボールを保持してつなぐ場面というのも出てくると思いますし、そこは本当に臨機応変に、状況によってしっかり賢く考えながらプレーできる選手を作っていきたいなと感じています。
レノファ山口、新監督に志垣良氏が就任 アグレッシブなスタイル継続へ – 山口宇部経済新聞
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